交通広告について

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何かと目に付く中吊り広告

電車での通勤、何かと煩わしいこともあるかと思います。常に人ごみに紛れ込んでいる中で自分が立てる場所を確保しながら戦い続けている戦場において、不意に目を逸らしてみると視界に飛び込んでくるものといえば、中吊り広告ですね。筆者は中学時代から電車での通学をしているので何かと電車にはお世話になっている身となっていますが、中吊り広告を見ると何とはなしに、興味をそそられるようなキャッチフレーズと内容に思わず関心を惹かれてしまって、ついつい凝視してしまうなんて事は頻繁にありました。どうしてあんなに見てしまうんだろうといつも思ってしまいますが、それだけ電車の中にいると暇になる時間が出来てしまう、ということなんでしょうか?暇といいますが、電車に乗車している時間も関係しているのではないだろうかと、個人的には分析しています。例えば乗車時間が1時間も掛かるところに出かける、というのは主に通勤や通学、また外出の際に掛ける時間が一般的でしょう。そうした時間、退屈になるのは当然ですから本やスマホなどの道具を使って、時間を潰せるようにするための準備をしている人は多いと思います。音楽を聞いたり、読書をしたり、スマホやタブレットで動画を見たり、中には座席に座りながらミニパソを操作して仕事を励んでいる人、さらには携帯ゲーム機で熱中して時間を忘れてしまって乗り過ごしてしまった、などなど電車の中はそういう意味でも面白い人間模様が行えます。

時間が余っている分だけ備えというものは万全にするもの、つまりそこまで長時間利用していないときにはあまり周りの環境に対して目を行き届かせる事はないといえる。電車での移動で、それこそ次の次の駅に向かうというだけの時間だけ利用している中、5分か6分足らずで目的地に到着するとなってわざわざ本を開いて読書をする人はいないでしょう。すぐに立ち上がって歩かなければならないことを考えれば、無駄な行動をしないで体力を温存しておく、というのも自然とするものだとすれば手持ち無沙汰でその時間徒然と電車に揺られながら到着を待っている、なんて人も多いと思います。そういう時、電車の中に配置されている中吊り広告に目を通して、あの週刊誌今週の内容はああいう感じなんだなぁと、普段は買いもしない雑誌に対して少しばかり心を傾けてみる、というのはもはや車内でのお決まり行動と見て良いと思います。

さてそんな中吊り広告というモノですが、以前までブログやサイト、また自身のパソコンの中に設定して見ることが出来る『今日のナカツリ』というサービスが展開されていたことをご存知の方もいるのではないでしょうか?面白そうだと思った人もいますが、残念ながら現在ではサービスを終了してしまっているため利用できなくなっています。今日のナカツリとはどういうものなのかについて、ちょっと軽く説明していこうと思います。

今日のナカツリ、その特徴

今日のナカツリはその名の通り、電車の中に当たり前のように配置されている中吊り広告を自身のパソコンに設定できるものとなっています。パソコンのパーツとしてはもちろん、ブログやサイトなどにも活用することが出来る、気軽に電車の中にある中吊りを日替わりで毎日見ることが出来たサービスでした。それでと聞かれると、それだけですとなってしまいますがユーモア溢れるパーツという意味では合格点ではないでしょうか?確かに中吊り広告を設置したとしても実際に雑誌の内容を確認することができるわけではありません、あくまで退屈しのぎがてらに見ると何気なく見てしまう、というのが製作した企業の狙いでしょう。

しかもこの中吊り広告のデータ、何もどこぞの週刊誌一社だけの広告を見せられるというのではなく、有名雑誌出版社7社26誌の中吊り広告が閲覧できる、しかも無料で閲覧できるというのはゴシップ誌が好きな人にはたまらないものでしょう。毎週、または毎月楽しみにしている雑誌ですが、週刊誌の内容で購入の是非を決めている人にとってはその都度広告で一度確認してから買いに行くことが出来るので、無駄な労力を使う必要がありません。またゴシップ誌には本来興味はなくても、折角無料で今日のナカツリという無料サービスを知ったので面白半分で設定してみたら、広告内容に魅せられて思わず愛読書になった雑誌が出てしまった、なんて人もいるかもしれない。

中吊りというものの効果は結構大きかったりします、それは時として意外な購入層を呼び寄せることになるなどげに恐ろしき宣伝効果をもたらす、なんてことが起きてもおかしくないのです。

中吊り広告の潜在的な影響力

中吊り広告は電車に決まって用意されているものです、ありとあらゆる企業が宣伝を行うために各鉄道会社と契約して広告を張っているわけですが、実際にどれくらいの効果をもたらすと考えているのか、個人的な意見で考察してみようと思います。

1:不特定多数の人間に見てもらえる
広告のないように興味を持つ人間は、何もその内容の購読層だけとは限らないものです。そうした意味で、電車という老若男女問わない人が毎日数十万人単位で利用する鉄道に広告を出資することによって、大きな経済効果をもたらしてくれる可能性がある。
2:頭に残る広告で、顧客を増やす
広告は常にインパクト溢れるものとなっています、中吊り広告もその一つ。広告に書かれている内容に惹かれることで、今まで興味を示さなかった人が、好奇心という本能に従ってつい買ってしまう、また何処かのスクールに通ってみようと思う、なんて気持ちに駆り立てられる人を呼び起こそうとしている。
3:毎日稼動している電車だからこそ、つねに広告は最新にしている
広告は何かと人目に付きやすいようにしていると思います、ですが電車といういつも同じ人が乗っているわけではない環境にある広告の場合には、同じ広告を見飽きてしまうと興味を示してもらえなくなってしまいます。そうならないように広告を出している企業は常に最新の広告を掲示してもらえるように、タイムリーな情報を発信していけるようにすることで、中吊り広告に飽きないように工夫している。
4:広告の大きさによって、重要度の大小を見てもらう
企業の製品プロジェクト、その規模によって宣伝をどの程度まで広げていくかで効果はまた異なってくる。中吊り広告の中には全面とある企業の最新情報が敷き詰められているものもあれば、サイズを少し小さめにして実はこんな商品も取り扱いっていると広告を出している企業もあります。どちらも宣伝という意味では高い影響を持ちますが、大きさによってその波及には違いは出てきます。

インターネットの世界だからこそ、狙いやすかった?

中吊り広告というものを分析してみると、不特定多数の人間に見てもらって興味を引いてあわよくば購入してもらう、というものに意義があるといえるのではないだろうか。いっそのこと初めから購入している人向けの宣伝にすればいいだけでは、という考えを持つのは企業側のする考えでもなければ、広告というものがもたらす影響力を考えただけでも適当に、そして特定の人向けに作れば良いというものではない。例えば明らかに小難しい内容であるパソコン系の雑誌に関する広告を見かけるときがあります、その広告に記されている宣伝は確かに何かとマニアックなものだったりするかもしれません。ですが実際に広告で使用されている機能を搭載している機器を所有している人で、最低限の機能だけ使えていれば良いと思っていた人がその広告を見たとき、実はこんな便利な機能が使えるんですと書かれていれば、その内容はどういうものなんだろうと思う人もいるかもしれません。

広告は無差別に展開しているように見えますが、あながちそうとは言い切れない部分もあります。普段から使用している機器でこの機能を活用すると便利だと書かれていれば、試して見たいと思うのも人の道理というものです。物は試しだとして雑誌を購入してみようと思ったら、言い方はひどくなってしますが企業に踊らされて購入した、となる。そもそもそういった戦略を承知の上で雑誌などを購入している人は多いと思います、世の中の仕組みとは常に何かを利用する・されるという相互関係で成り立っているので、踊らされてたまるかと心頑なにしても本能には抗えなかったりするのも、またご愛嬌というものだ。

話を今日のナカツリというインターネットサービスに戻してみると、各雑誌出版社の狙いとしてはここにあったのだろう。不特定多数、それもインターネットという膨大な世界で無作為に広告展開されれば計算上での経済効果は計り知れないものと見ていたに違いありません。じっくりと見てもらうのではなく、あくまで目に留まって記憶の片隅にでも内容を残せることが出来れば、その時点で広告を展開している企業に軍配は上る。今日のナカツリはサービスを展開中の際には、主要大手ブログサービスの大半で動作不良を起こすことなく作動していたので、設置している人もいたと思います。広告を配置していれば宣伝出来る他、アフィリエイト効果をもたらせるという二重の意味で便利な広告手段といえる。無料にしている分、広告として無差別展開されることで雑誌の購買層も上り、さらに広告としてアクセスしてもらうことによって広告収入が見込めるたら会社としては放っておくわけないでしょう。企業を動かしていくにしても結局は資本がなければ運用して行く事は困難となります。考えられるだけの策は講じる、という感じかもしれません。

不況を脱しようとしたのかもしれない

ただ今日のナカツリは2012年にはサービスを終了しているところを見ると、期待されていたような結果を残せなかったということなのかもしれません。そして何故中吊り広告として雑誌各社が展開しようとしていたのかについては、その背景にあるのは出版業界の不況が続いているからかもしれません。電子機器が発展したことによって紙媒体の書籍や雑誌などを購入する機会が減り、インターネットで内容を視聴できる電子書籍サービスが本格的に始まったのも大きな打撃だったといえる。雑誌や書籍などを一々鞄の中に入れて持ち運ばなくても、スマホなどにインストールされているアプリケーションソフトを利用することで書籍や雑誌、さらには新聞を見ることができるとなれば荷物が少なくて済み、さらに毎日持っている生活必需品のスマホで閲覧できれば、荷物も軽くなる方を選ぶのは基本です。

ただそれでは雑誌そのものの存続が難しくなるのも事実、ここ数年でどれだけ有名な大手雑誌が休刊という、事実上の廃刊に追い込まれているかを考えれば便利になった分だけ日陰を味わう雑誌も増えてしまうわけだ。大手だから安心というわけではなく、大手だからこそ存続を掛けて中吊り広告をインターネットでも楽しめるようにして雑誌と広告の戦略展開していく、そんな算段だったのかもしれません。

一つの可能性としてはありだったのかもしれません、しかしインターネットと電車に乗っている時に見るのとでは潜在的に期待できる中吊り広告効果は得られなかった、という結果になってしまいました。手持ち無沙汰で、少しの時間を潰すには便利な中吊り広告もやはり電車の中でしか本来の力を発揮できないのかもしれません。

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