中性脂肪が低い!でも安心してはいけません!見落としがちな問題点と対策

中性脂肪は人間の体を維持するために必要な栄養素です。
健康診断での中性脂肪の数値が低すぎても、それはそれで問題です!

以下で説明していきます。

中性脂肪の値は低すぎても安心できません

中性脂肪が高いと体に悪いということを知っている人は多いでしょう。
低ければ低いほど大丈夫!そう考えてはいないですか?

実はそれは間違い。中性脂肪は体のエネルギーとなる非常に重要な成分ですので、その値が低いということは体に異常が現れている証拠です。

中性脂肪が低いと指摘されるのは若い女性に多いです。その原因が過度なダイエットと食事制限。
体が栄養不足の状態に陥っていると、中性脂肪が極端に低い値になります。

また、中性脂肪が低くなる病気もあります。
過度なダイエットをしていないのに中性脂肪の値の低下が指摘された人は、そういった病気の可能性も考えることが必要です。

年代別・中性脂肪の数値が低いときの理由

男女合わせた中性脂肪の正常値は50~149mg/dlとなっています。
年齢ごとに標準値は変わり、年齢を重ねるごとに標準値は高くなっていきます。

20代~30代の若年期においてはほとんどの場合中性脂肪の値は正常値ですが、ダイエットなどによる中性脂肪の値の低下が良く見られる時期でもあります。

30~40代の壮年期に中性脂肪が低すぎるというケースはあまり見られません。
特に男性はこの時期に中性脂肪の数値が高くなる傾向にあります。
もしこの時期に中性脂肪の数値が低すぎる場合は無理なダイエットや甲状腺、肝機能の病気の可能性を考えます。

50~60代以降の高齢期に入ると女性の中性脂肪値が高くなりやすくなります。
これは更年期に入ることで女性ホルモンが減少するからです。
そのため、男女揃って中性脂肪値は高くなりがちですが、低くなってしまっている場合は甲状腺や肝機能の病気、遺伝や体質の可能性があります。

アスリートは中性脂肪の低い人が多いが・・・

アスリートの方は過度な運動を行うため中性脂肪が低い人が多いです。
アスリートだからといって、中性脂肪の値が低くても大丈夫というわけではありません。

アスリートの女性の約4割は中性脂肪の低下による月経異常といった症状に悩まされているといいます。
しかし、だからといってやめるわけにはいかないのがアスリート。
そういった人たちの場合は消化機能を極限まで高め、十分な量のエネルギーの摂取と筋肉の増強を目的とした生活を送っています。

コレステロール値が高いときや太っているときに中性脂肪が低ければ特に注意!

コレステロールの値が高かったり、肥満体型なのに中性脂肪が低い人の場合はコレステロールの高い状態と、中性脂肪が低い状態のリスクが伴います。

どちらも動脈硬化を促進してしまう症状のため、血管系の疾患に特に気を付ける必要があります。

中性脂肪が低いときに起きる弊害

疲れやすい

中性脂肪が低下することによって一番はじめに感じる体調の変化が「疲れやすさ」です。
中性脂肪は体のエネルギー源となっていて、いわば車にとってのガソリンのような働きをしています。

したがって、体内の中性脂肪が低下していると疲れやすくなったり、元気が出ないと感じてしまいやすいと言えます。

痩せにくい

「中性脂肪が低いって、それなら細くなれるんじゃない!?」それは間違いです。

摂取した脂肪は小腸内で脂肪酸に分解され、肝臓で中性脂肪に合成されています。
しかし、肝臓の機能が弱っているとこの働きがうまく行われません。

そうすると中性脂肪が合成されず、肝臓内に脂肪酸が溜まっていってしまうため痩せにくくなると言われています。

抜け毛や肌荒れが多くなる

中性脂肪が少ないということは、同時に血中に流れる脂溶性ビタミン類が少ないということでもあります。
脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンE、βカロチンなどは細胞の活性化や粘膜の保護、育毛や髪の毛の生成に大きく関係しています。

そのため、これら脂溶性ビタミンが足りなくなると抜け毛が多くなったり、髪の毛自体が細くなり傷みやすくなります。
また、肌荒れも起こりやすくなりシミやシワができやすくもなります。

不妊になる

中性脂肪が低い若い女性は極端なダイエットが原因となっている場合が多いです。
極端な食事制限によるダイエットをすると必要な栄養が不足し、ホルモンの分泌量が減ってしまいます。

それによって生理に乱れが生じ、体温の上昇が不十分になって排卵が起こらなくなります。
排卵が行われないと受精はできませんから、実質的な不妊体質になってしまうというわけです。

若いころの過度なダイエットによってホルモンのバランスが乱れ、慢性的な不妊に陥り苦しんでいる女性は多くいます。

糖尿病や甲状腺疾患の疑い

中性脂肪が低い人の場合、糖尿病やアジソン病、甲状腺ホルモンの異常といった病気が潜んでいる可能性があります。

極端なダイエットはしていないのに中性脂肪の低下が指摘された方や壮年期以降の年齢で中性脂肪の値が低い人は、これらの病気を患っている可能性があります。

改善策=中性脂肪をつけるには

食生活の見直し

中性脂肪が極端に低かったとしても、肝臓や甲状腺に異常がなければ病院で治療を受ける必要はありません。
自分で中性脂肪の値を改善するためにはまず食生活の見直しが必要となってきます。

※朝・昼・夜の3食をしっかり食べる

※栄養バランスを考えた食事(糖質やタンパク質もしっかりと摂取する)

※炭水化物の摂取量を増やす

※砂糖、加糖、脂肪といった食品の摂取を制限しない

※玄米やごまといった精製されていない食品を摂る

1日3食の食生活をしっかりと守りつつ、糖分と脂質をしっかりと摂取することがとても大切です。
いきなり増やす必要はないですから、徐々にこういった食事に切り替えていくようにしましょう。

適度な運動

また、適度な運動も中性脂肪の値の改善に効果があります。

運動をしすぎると中性脂肪が低下してしまいますので、あくまでも「適度」な運動に留めてくださいね。
普段の生活にウォーキングなどを取り入れて継続するといいでしょう。

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